『エングラシアおばちゃんのおくりもの』

エングラシアおばちゃんのおくりもの (こどものとも世界昔ばなしの旅2)

エングラシアおばちゃんのおくりもの (こどものとも世界昔ばなしの旅2)

 三日坊主が売りの私ですが、これだけはずーっと続いている、というものがあります。毎晩の寝る前の読み聞かせ。絵本タイムです。娘が幼稚園に入る前からずっと、よほどのことがない限り、毎晩読んでいます。福音館の絵本、幼稚園のときは「こどものとも」、小学校に入ってからは「大きなポケット」を毎月購読しています。
 さて、昨夜の絵本は『エングラシアおばちゃんのおくりもの』。何度か読んでいます。お話はこう。
 (前半略)エングラシアおばちゃんが大切な針と糸と指ぬきをなくしてしまい、ネコやムカデやウミガメたちに探してもらっていました。その騒ぎを聞きつけて、クモのマチルデが起きてきて、話します。

すると マチルデ こういった。
「おやおや、それは わるかった。
わたしの むすめの カルメンが、
ちょっと はいしゃくしてたのよ。
きのう わがやに あいた あな。
つくろわなくちゃ ならなくて」

「おかあさん、はいしゃくって何?」
「貸してもらうこと。『ちょっと拝借』とか言って、誰かに借りたりとかしたことない?」
「ふーん。そんならマチルデは『ちょっと借りていたのよ』って言ったらいいやんか。」
「でもそれやったら…なんて言うかな、マチルデの言い方ってちょっと歌みたいと思わへん?」
実はこの本、なかなかリズムに乗って調子よく訳されているのです。
例えば、マチルデが登場する下りは

そのとき、くもの マチルデが さわぎを きいて めを さまし、
ねぼけまなこで こういった。
「いったい なんなのどうしたの? みんな そろって どたばたと」

という具合。いつもなるべくテンポよく読むようにしていたのですが、やっと
「あ!ほんまや!『わたしの むすめの カルメンが ちょっと はいしゃくしてたのよ』か。ちょっと かりていたのよ、やったらへんやなぁ」
「うん。なんか調子くるうやろ?」
「うんうん。」
二人でもういちど、マチルデのセリフを繰り返して読みました。リズムに乗って読むのが面白かったらしく、娘が繰り返します。なんと、調子を取るように、本をトントン叩きながら。
続きを私が読み始めても、まだ本をトントン叩いています。
そのうち、それが手拍子に変わりました。

よかった よかった! みつかった!
だいじな はりと あかい いと、
それに ゆびぬきも みつかった!

手拍子に合わせて読んでやると大喜び。たまに字余りなどがあり、手拍子に合うように大急ぎで読んだりワンテンポ開けたり、にわかラッパーになった気分。自分の手拍子に合わせて読むおかあさんが面白いらしく、大笑いしながら手拍子を続ける娘。
 この絵本、勝手に南米の人の絵のように感じているのですが、ラテンなんですよ。絵が力強くて、色に躍動感があります。それと手拍子がよくあって、寝る前のちょっとしたコンサートタイムでした。

 もう少し書きたいけど、仕事があるのでまた後で。