続・○子の試練

ぼくのなまえはへいたろう

 今夜、話してくれた様子では、○子とS子の確執が続いているようです。○子が、授業中に踏んだドジを大声で笑われたんだそうな。
私「そりゃ、誰かがおもしろい失敗をしたとき、思わず笑ってしまうときとかあるやん?」
○子「違うもん。S子ちゃんだけ大声で一人で笑ってん。すごくいやだったから、あとで『なんで人が失敗したときはに大きな声で笑ったん?すごくいやだったよ』ってS子に言いに行ってん。」
 おー、さすが私の娘。なかなかやるなぁ。
 そーなんです。○子も思ったことは口にする、気の強い子なんです。だから風当たりが段々きつくなって行きやしないか、いつか立場が逆転するようなことになりやしないか、心配しているのです。
私「で、S子はどーしてた?」
○子「口をぽかーんと開けてこっち見てた」
私「うん。いややったことは、『いややった』と言ってよかったとお母さんも思うよ。」
○子「(うれしそうに)うん!」
私「で、いやって言ったから、もうS子ちゃんも笑わないと思うよ。」
○子「うん。」
私「だから、笑われたことをいつまでもグジグジ覚えてたり、仕返ししよ、とか思ったりせんと、『遊ぼ』とか言われたら仲良くしたらいいよ。」
○子「うん。」
私「それから、『今度S子ちゃんが失敗したときには、○子が笑ってやる〜!』とか思ったり、笑ったりしたら、あかんねんで。」
○子「せーへんよ、そんなこと!」
と言った後、感心したように、
○子「ってゆーか、そんなこと考えたことなかったわ。お母さん、よーそんなこと思いつくなぁ。お母さんって…」と横目でジロジロ私を見ます。
うひゃー!そーか、やり返すって、人を嗤うって、○子は考えたことなかったのか。そーなんか。七才ってそういうお年なのね。私っていつの間にかすれてたのね。恥ずかしいですわ。