「ぼくのなまえはへいたろう」灰島かり

 福音館の月刊誌『大きなポケット』12月号の巻頭話です。今夜はこれが「寝る前のお話」でした。
 自分の名前「へいたろう」が気に入らない平太郎君は名付けたお父さんにその訳を聞くことにします。で、

 いいかい、へいたろうの『へい』は、漢字でかくと『平』だ。これは『たいらで、わだかまりがない』って意味がある。…(中略)…
 ほら、なんか、おおらかで、こせこせしてないっていうイメージだろ?

て、名前の由来を教えてもらいます。
 ここで、○子が
「『わだかまりがない』って?」と聞いてきて、
それを説明しているうちに、S子に笑われた話になったのです。
 それから、「おかあさんの名前も、へいたろうくんと同じイメージだよ。うじうじしてない、明るくてスカーッとしたイメージでしょ?」と言うと、「○子の名前はどういう意味なの?」と聞いてきたので、ひとしきり名前の由来を教えてやりました。どうして「子」をつけたのかも。○子は嬉しそうに聞いていました。
 この話、名前に関する苦労、長い名前、人気のある名前など、名前にまつわるいろいろが出てきて、思わず親子で名前の由来やらお友達の名前やらについて語り合っていました。こんな風に本を読むのは珍しいことです。いつもは二人でストーリーに入り込むのですが。
 でも、ご飯のときにもお風呂のときにも出てこなかった、ちょっとした心の引っかかりが引き出されたことに感謝です。夕方からしか時間を共有できませんから、こんな時間は本当に貴重です。
 貼り絵と版画を組み合わせた、挿絵(殿内真帆)も楽しいですよ。