『幽霊人命救助隊』高野和明
- 作者: 高野和明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04/10
- メディア: 文庫
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1月8日に声欄に載った、夫を自殺で失い、残された家族のつらさを伝えようと横浜の主婦が書いた投書、
「自殺を考えているあなたへ」
死ぬ勇気を持つ前に、生きる勇気を出して下さい。そして、いま一度、誰でもいい、周りの人にSOSを出して下さい。(抜粋)
を読んで、埼玉の60代の男性が自殺を思いとどまり、そして、その人がその経緯を書いた投書が1月12日に声欄に掲載されたそうです。内容は、
当欄で「自殺を考えているあなたへ」を読んだ8日の朝まで、私も追い詰められていました。……独身の長男からは、行き詰まる前に相談してくれと言われていましたが、迷惑を掛けたくなかったので行きませんでした。しかし投稿を読んで「老いては子に従え」の言葉を思い出し、妻に何も言わずに朝家を出て長男の所に向かいました。……(長男さんからお金を振り込んでもらいます)…長男への感謝の気持ちと、家族を悲しませずにすみ心の重荷がとれたことで、いまも涙が止まりません。
一通の投書が人の命を救ったという記事でした。
知らない人の呼びかけに、自殺を思いとどまる人がいる。まるで昨日読み終わったこの本の続きを読んでいるようでした。
こちらは自殺をしてしまった人が幽霊になって下界に戻り、自殺を考えている人の命を救う物語。なかなか面白かったけど、事実は小説より奇なり、って本当なんですね。感想書きにくくなってしまいました。投書もよかったですが、自殺を考えそうになるくらいなら、こちらも読むといいと思います。もっと上手な宣伝文句は解説で養老孟司さんが書いておられます。
やっぱりちょっと感想も書きます。タイムトラベルものではないけど、終戦直後〜バブル〜現在の流行語や時代のムードに浸れます。なんちゃって……、とか。死後の世界と神様も、こんな考え方あるのね。