『漢字んな話』前田安正、桑田真

漢字んな話

漢字んな話

 朝日新聞に連載されている漢字のうんちく話をまとめたもの。
 漢字にまつわる話が落語仕立てで紹介されていて、なかなかおもしろそう、とは思っていたものの、そう毎週一生懸命読むほどでもないや、という位置づけでした。今も連載中ですが、正直大して読んでおりません。
 じゃあなぜ買ったのかと申しますと、
UDフォントが使われた初の単行本だから。
 UDフォント=ユニバーサルデザインフォントです。
 視力が落ちてくると、5と3と8や、バとパが見分けにくかったりします。そんな読みづらさを克服するための書体だそうです。それと、小さくしても読みやすい文字、ということで、約款みたいな細かい字で作る書類にも向いているらしいです。今まではカタログや家電の表示に使われていたらしいのですが、最近地方新聞でも採用され、そして、ついに単行本の刊行となったそうです。
 確かに、新聞で見るときより一字一字の余白(というかフトコロと言うのでしたっけ)が大きくて、丸っこい字になっていて、濁点や句読点はくっきりしてて、読みやすいです。字の大きさも大きくなってるけど、読もうかな〜って気になるのは、書体の違いが大きいです。このごろだんだん薬の裏書きとか読むのがつらくなってきた私としては、こういう字の本が増えるのはいいなあ。
 でも、ひらがなと漢字の大きさの差が少ないからかな、速読にはむいてない気がする。普通なら、漢字から漢字へもっと流れるように読み進められるのに、ひらがながコロコロしてて、視線が引っかかる感じです。慣れの問題だろうけど。