『大奥』よしながふみ

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

 「ダ・ヴィンチ」でよしながふみ特集をやってるときに紹介されてて、「読みたいなー」と思っていたら、やはり「ダ・ヴィンチ」を読んで「読みたいなー」と思った妹が、先に買いそろえていました。しめしめ。返すときには『西洋骨董洋菓子店』を貸さなくては。

 おもしろいですよ〜。ダヴィンチにも載ってたからここまではネタバレするけど、大奥と言っても女が集められてるのではなくて、男が集められているのです。そして、徳川吉宗は女なのだ。だからってゲイの話じゃないですよ。それに、そんな男女逆転の世界でドラマの大奥みたいなドロドロな話を楽しむのでもないのです。どうして男女逆転世界になったのかもちゃんと書かれていて、なかなかおもしろい展開です。
 読みおわった後しばらく考えていたのですが、カート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』を思い出します。何者かが意志を持って人類を外部操作している感じ。人類というより江戸時代の日本人を、ですが。
 学生の時、金魚鉢の金魚を私たちが眺めるように、私らの一生も巨人か宇宙人が夏休みの宿題かなんかで作った「観察セット」の中での営みなのではないか、と時々思ってました。誰かが外から私らを見て面白がってるんとちゃうかーって。その感じが久しぶりによみがえってくる、そんな本です、この『大奥』は。

 年明けてから漫画しか読んでない子のようですが、仕事の本はちゃんと読んでいますから。