『あなたがパラダイス』平安寿子

あなたがパラダイス

あなたがパラダイス

 お初の作家さんですが、『くうねるところすむところ』を一度読んでみたいと思っていたのです。そしたら、図書館にこれがあったので、まずはこっちから、と借りてきました。
 もうネタバレしますが、予備知識なしに読み始めまして、途中で「そういえば、『おまえがパラダイス』って歌があったなぁ…」と気づきます。ピンときましたか?ジュリーが出てくるのですよ。本人ではなくて、彼の歌が。
 更年期のお年頃の女性と、その時期になるとやってくる、介護、離婚、負け犬、韓流、ジュリー、ネットやらのお話。オムニバスになっていて、最後はキレイにまとまります。すらすら読めて、元気をもらえるお話です。
 もろもろ羅列してしまいましたが、メインはジュリーです。とにかくジュリー本人、歌詞への思い入れ、アルバムに関する知識が半端じゃないのです。年代ごとに声、歌いっぷり、容姿を分析したり、ライブの様子を描写したり。この平さんって本当にジュリー好きなんでしょうね。タイガース時代から追っかけしてたりして。それにしてもジュリーって作詞もするのですね。いっぺん何か聴いてみるかな。って実は好きなのよね、「時の過ぎゆくままに」。