それでいいのか?

 荻原浩さんの「愛しの座敷わらし」がいよいよ終わりに近づいたらしく、今日の夕刊で次の連載小説の予告がなされていました。
 一家は埼玉への転勤が決まり、いよいよ旅立ちの日を迎えています。
 でも、なんか、むっちゃ駆け足な展開なんですけど。これでいいのでしょうか。もう一事件あると思ったのに、一家総出で解決しないといけない問題が起こると思ったのに…。
 家族それぞれが抱えていた問題は、それぞれ別々に解決した(したのか?)ことになっていますが、個々の問題になっていて、横にあんまりつながっていないなぁと思うのです。座敷わらしって、個人とつながるんじゃなくて、家全体とつながるものなんじゃないのかな。お姉ちゃんもボクも、いい友達ができて、それでよかったことになるのかしらん。あの夫婦だって、あんまり変わっていないよね。囲炉裏のシーンもむちゃくちゃ唐突やし。
 序盤の、古い家に住みたかったパパの、家族に対する「この家に住もうよ」プレゼンの必死さやおかしさ、丁寧な書き込み具合が、ここにきて急に失速しているような感じです。煮詰まってしまったんかなぁ……もうちょっと読み続けていたかったのになぁ。