『となりまち戦争』三崎亜記

となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争 (集英社文庫)

 おととい読み終わりました。早く感想書かないとわすれちゃう…早く、早く。
 ストーリーはけっこう有名になっていますよね。映画化されたのかな?
 ある日、突然となり町との戦争が始まり、爆撃戦とか目に見える戦いもないのに戦死者が増えていきます。そうこうしているうちに、主人公である「僕」のところにも召集令状みたいなものがきて、ある任務を任されてしまうのです…。
 描写が具体的かつ客観的で、きっちり細かくて、目の前で人物や情景が動きます。対照的に、人物が感情的になることが非常に少ないです。その人の気持ちは小さなしぐさから読みとるようになっていますから、戦争の物語のはずなのに、静かで抑揚のない、淡々とした展開になっています。夢オチとか「僕」だけがばかされてるとか、そんなんじゃないよね?現実に戦争が起こっているのよね?とドキドキしながら読みました。この愛想のない、とりとめのない感じは伊坂幸太郎村上春樹に似てる…
 文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーが物語の理解を深めてくれます。