『読み違え源氏物語』清水義範

読み違え源氏物語

読み違え源氏物語

 清水さん、ついに源氏物語を取り上げられました。全8編、短編集です。
 源氏物語を知らないと、「なんだ、ただの短編集じゃないか。」となってしまいます。それはそれでそこそこ楽しい作品もある(「ローズバット」とか)けど、「やっぱり、源氏を知らなくちゃ楽しくないわよ。私はわかるもんねー。これは女三宮の暗喩なのよ」とか(一応、字の色もムラサキにしてみました)、こちらの古典の素養に関するプライドをくすぐってくれる作品であります。といっても読んでて頭に思い浮かぶのは『あさきゆめみし』であって、原文でないのはご愛嬌。
 「夕顔殺人事件」と「ムラサキ」が、よかったです。夕顔…の方は、思わず「そうだったのか!」と納得しそうになってしまうし、ムラサキは晩年の味がにじみ出ていてしみじみしてしまう。
 久しぶりに読み返そうかな、『あさきゆめみし』。もちろん、原文も持ってます。
あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

源氏物語 (1) (新潮日本古典集成)

源氏物語 (1) (新潮日本古典集成)