『兎の眼』灰谷健次郎
- 作者: 灰谷健次郎,長新太
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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ベテランでちょっと風変わりな足立先生(章タイトルに「教員ヤクザ足立先生」ってあるくらい)と、小谷先生の授業の様子が面白いです。まず、足立先生の図工と作文の授業を小谷先生が見学します。図工の時間って、こどもたちがワイワイがやがやしてしまいそうですが、そうならない、子ども達を惹き付ける足立先生の話っぷりが見事です。そして、作文の授業も、うまい作文の書けるとっておきの方法を足立先生が披露するのですが、これって本当に作文の先生が実践してそうです。さすが元教員の灰谷さん、授業の様子の描写はわくわくさせてくれます。でも、描写がわくわくするって、足立先生に「わるもんの文」と指摘された「したこと文」の巧みさの現れなんだけどなぁ…。
小谷先生の作文の研究授業もわくわくします。やっぱり授業には「仕込み」も大事なのね。小谷先生の研究授業では授業内容に感心する以外に、心を揺さぶられることが起こります。これは読んでのお楽しみ。
物語は決着するのではなく、これから「行くぞ!」というところで終わっていて、あの子たちどうなったかなぁ…と今日も洗濯物を干しながら、ぼーっと考えてしまいました。
- 作者: くらもちふさこ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/08/13
- メディア: 文庫
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