『ワーキングガール・ウォーズ』柴田よしき

ワーキングガール・ウォーズ
 題名に引かれて読みましたら、時代的にちょうど私も会社員だった頃のにおいがして、なつかしく読みました。
 それに、『ヘルタースケルター』読み終わってすぐに読み始めたので、気の強い登場人物たちがみんなりりこのような肢体を持っているように感じられて、普段の読書よりずっと映像的な読みでした。
 都心にマンションを持つ、37才独身おんな係長が主人公であります。「負け犬の遠吠え」的設定でありますが、そんないじけたちまちました物語じゃありません。
 こういう状況の女性の気持ちや行動、その裏付けが細やかに描かれていて、しかもちょっとミステリーな味付けもしてあって、楽しく読むことができます。
 ちょっと肝心なことを書いてしまいますと、
 働く女の本当の敵は、女にあらず、としみじみ思いましたわ。広い心で働かなくては!