『魚だって恋をする』今江祥智 絵・長新太

魚だって恋をする (おはなし飛行船シリーズ)
 今江祥智さんの文章は食べ物の描写が好きであります。きっと和食、特にお魚料理がお好きなんじゃないかしら。『優しさごっこ』で、とうさんが錦市場でお魚を買っていそいそ帰るところがあったと思います。(それに『優しさごっこ』で一番好きなのは、とうさんが、絵本を描きたくてとうさんに弟子入りする板前さんから料理を習うシーン。短いシーンなのですが、何度でも読み返したくなります。)それに通じる「お料理に対する愛情」をこのお話から感じました。
 といっても、この本はお料理本ではありません。多感なの男の子とその家族のお話であります。
 でも、和の肴をアテに一杯…というのが大好きな方はいちど読んでみてくださいね。
 長さんの挿絵もほんわりした文章によく合って、絵本とはまた違う味わいがありました。