14『破獄』吉村昭

破獄 (新潮文庫)

破獄 (新潮文庫)

 ちょっと前に広島で脱走がありましたが、そのときに不意に思い出してもう一度読みたくなり、ちょこちょこ読み進めておりましたが、先日の日帰り出張、往復の新幹線で一気読み。新幹線で寝ないのは珍しい…
 とにかく刑務所から脱獄しまくる男とそれを追う人、彼らを取り巻く時代の話。吉村昭ですから、事実中心にたんたんと進んでいきます。脱走男の心理描写なんかありません。私はこういう書き方は好きですが、物足りない、と思ったら映画を見ましょう。緒形拳がやっているそうです。しらなんだ。こっちも見たい。
 脱獄後、服や食べ物を民家からちょこちょこ盗んで調達するのですが、今の時代やったらこれは難しかろうなぁ。