ものすごくいいこと

 定期試験の点が上がるとご褒美をもらえるお友達が結構いるそうです。
先日も、
「N美は5教科の合計点が300点以上やったらケータイ買ってもらえるんやって〜。300点やで、300点」
と羨ましげに言うものですから、つい、
「んじゃ、○子はXX点(○子の名誉のために秘す)以上やったら、ケータイ買い換えてあげるよ」
と言ってみましたら、
「やるやる!XX点以上取る!絶対買い換えやで!」とものすごい鼻息に。
XX点ってちょっと無理なんじゃないの〜と思いつつ、
「それから、平均はY点以上ね。つまり、国語で点を稼いで数学は悪くていい、とかなし」
「わかった。がんばるわ。」
ということに。

ところがしばらくして、
「でもケータイ変えたら今までのデータが見られなくなるかなあ。」「そうやねぇ」
「それに、買い換えてもスマホはあかんのでしょ?」「あかん。通信料高いし」
「それやったらやっぱり買い換えてくれなくていいわ……あーあ。ま、テストは自分のためやから、ごほうびなんかいらんか……」と、自分に言い聞かせながらも、ちょっと淋しそう。
 なんだかかわいそうになったので、つい、
「じゃあ、XX点以上やったら…」
「やったら〜?」
「ものすごくいいことがある!!」と言ってしまいました。

「いいこと〜!?って何?」
「ものすごくいいこと。何でもリクエストOK」
「何でもいいの?」
「何でもいいよ。あ、でもスマホはあかんけど」
ということで、2人で「ものすごくいいこと」の定義を。

  • 現金はだめ 〜ものすごくいいことっぽくないから〜
  • 中学生らしくないリクエスト(シャネ◎のバックとか)はだめ
  • 人を傷つけるものはダメ(お母さんを殴りたいとか)
  • 法律違反はしない(お酒を飲んでみたいとか)

「それやったら、ものすごくいい事って何やろう?」「うーん……」
「フライパンいっぱいに焼いたハンバーグを作ってほしいとか?」「いいねぇ!」
「それから、ホールのケーキを1人で全部食べるとか」「いいねぇ!」食べることばっかり。
「それからそれから……」「それからそれから……」
ただ今○子は「ものすごくいいこと」の実現目指して、張り切って勉強しています。
そして、「ものすごくいいこと」って何だろう、と頭を悩ましています。
XX点越えができたら、それが「ものすごくいいこと」だと思うよ。