『戦下のレシピ〜太平洋戦争下の食を知る』斎藤美奈子

 やはりこの季節はこのての本が目につくようです。
 「へー、あの斎藤さんがこんな本を書いているの…」と友人宅の本棚の前で感心しておりましたら貸してくれました。ありがとうございます。
 上段が斎藤さんの解説、下段が当時のレシピ、という二段組みになっています。当時のレシピは、『婦人倶楽部』『主婦之友』『婦人之友』の当時の号からの抜粋(この三誌が戦前〜戦中〜戦後、休まず発行され続けた婦人誌なのだそうです)。戦局が厳しくなり食材が、調味料が、どんどん乏しくなって、レシピもものすごいことになってきます。お芋やカボチャばかり食べた、雑草も食べたとよく聞くけれど、「どうやって」食べていたのか、食材や調理法がどう変わっていったのか、が分かって興味深かったです。
 解説は…最初は婦人誌の意義、役割の考察があってなるほどと思いましたが、戦局・戦時中の暮らしは通り一遍といったら失礼かもしれませんが新味のあるものではありません。あと、戦下のレシピの総括もなかなかよろしい。さすがにこれだけ大きなもの、畑違いのものが相手だと刀も刃こぼれするようで…
 レシピ再現のグラビアもあります。○子が目をぱちくりさせていましたよ。