『RURIKO』林真理子

RURIKO

RURIKO

 この間『デンデラ』をふらふらーっと買ってしまったのは、やはり帯に写ってたこの人の目力に負うものが大きいと思いましたので、思いっきり目力のあるこの本を。  日活映画とそのスター達や、美空ひばりさんに夢中になった世代にはたまらない裏話なんでしょうね。一作くらい見てみたいなぁ。「憎いあンちくしょう」とか。この作品のロケシーン、迫力とスピードと臨場感があって、おお、映画を見ただけでこんなに書けるなんて、うまいやん、林真理子、と、続きを楽しみに読んでいたのですが(ちょうど本の真ん中当たりだったし)、あとはなぁ……ルリ子さんの美しさも通り一遍紋切り型な表現が何回も出てくるばかりだし(お酒が一滴も飲めないっていうのも)。それに時代が近くなればなるほど作品名も俳優名も伏せ気味になるのよ。それもつまらなかった……。