『ミカ×ミカ!』伊藤たかみ
- 作者: 伊藤たかみ
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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「…(前略)…大事なのはとにかく自分で決めることさ。だれの言うことも気にしなくていいんだ。すごく大事なときだけは、だれの話も聞かないで、自分で決めたほうがうまくいくからな。…(ちょっと略)…いいな? 大事なことを決めるときは、人に相談なんてしなくていいんだ。自分一人で決めたほうがうまくいく」
「自分一人で考えて、どっちにしたらええのか、わからんようになったらどないするん?」
ミカが聞いた。「そういうときは相談してもええんやろか」
「ダメだ。大事なときは、人に相談なんてするんじゃない。どっちにしようか迷ったときは、最初に考えたほうにしなさい。自分が一番最初にこうしたいと思ったほうを選びなさい」
「そうしたら、なんでもうまくいくん?」
「そうだよ。それが幸せになる秘訣なんだ」
会話から分かるとおり、大阪の話です。こないだはサヤマでしたが、今度は枚方です。
こないだお弁当の時、会話が大阪弁の小説はしんどい、と言う話になったけど、私はわりと平気。ドラマのへんな関西弁は気になるけど、文字になってると許容範囲が広くなるみたいです。特に、伊藤さんの大阪弁は、私の普段使ってる言葉遣いに似てるのか、やたらしっくりきました。(サヤマと枚方と両方しっくりくるなんておかしいかもしれないけれど、まあそれは育った環境のなせる業ですので見逃して下さい)。
読みながらつらつら思ったこと。関西弁って否定形の時、「〜ない」の代わりに「〜へん」を使いますが、「できない」には2通りあって、例えば「行くことができない」は、「行けへん」派と「行かれへん」派に分かれます。そして「行きたくない」は、「行かへん」派と「行けへん」派。こういう細かい使い分けがちゃんとなってると自然に読めるみたい。あと、「見いひん」とか「しいひん」とかも出てきたよ。「先生もよおさんおるで」なんかもいいなぁ。「おる」のことはまた機会があったら書きたいです。ではまた。