『一九八四年』ジョージ・オーウェル

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 お恥ずかしいことに、今まで読んだことありませんでした。『僕たちの洗脳社会』を読んでいるときに、ちょうど職場で話題になって、早速貸してもらいました。タイミングのいいこと!
 岡田さんがいくら「洗脳といっても恐ろしいイメージのそれではありません。」と繰り返しても、やっぱり、「洗脳社会」というとこの一九八四年の世界ですよね。監視と拷問の。だから「洗脳」って聞くと恐ろしい。この本に対してそれくらいのイメージは持っていたのですが、ここまで怖い話だとは……。ここから内容に触れますが、解説にも書いてあるけど、付録の「ニュースピークの諸原理」が過去形で書かれているのが救いです。私は付録を最後に読んだのですが、「え?なんで過去形?」と気になって気になって。周りの人に「これ過去形ですよね。わざとかな。」って聞きたくなったくらいです。
 それと、電車でこれを読んでいて、駅について本を閉じ、現実に戻ってみんなと一緒に乗換駅までワサワサ歩いていると、こうして平日は朝から晩まで会社に居て、季節の移り変わりや家から見える景色、子どもの学校生活も知らずに、60歳になるまで粛々と働きつづける私たちだって、洗脳されてるなぁ…などと考えてしまいます。ヴィクトリー・ジンより生ビールの方がおいしいとは思うけど。