『時生』東野圭吾

時生 (講談社文庫)

時生 (講談社文庫)

 同窓会で薦められた一冊です。大阪が舞台になるからかな。
 奇しくもまたもやタイムスリップ物でした。といっても東野さんですから、簡単にタイムスリップといってしまっていいものかどうか…パラレルワールド・ラブストーリーの系統です。
 若い拓実がほんとうにどうしようもないやつで、序章とギャップがありすぎてびっくりでした。時生ってドラえもん?って感じ。序章があるし、拓実の人格差を考えると最後は読めてるのですが、それでもしみじみと読み終わりました。
 それにしても(むちゃくちゃネタバレやからね)、昔の恋人を息子と命を賭けて救出し、そのときに自分の出生の秘密と生きることの大切さを知り、そして転職して人生が変わった、という告白を、息子の死に際に夫に聞かされる妻、いくら最後に自分との出会いがポロッと出てくるとはいえ、複雑ですよね。心中お察し申し上げます。東野さん、今回は女性の扱いが手荒かったです。加賀恭一郎のきめ細やかさを見習ってくださいね。
 そして、時生役が櫻井翔クンでドラマ化されているのですね。うひゃー、こっちも見たい!
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