『オーデュポンの祈り』伊坂幸太郎

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

 今さらのようにこれを。
 島に欠けてるものって何だろう、と思いつつも、きっとそれは何かすごく抽象的なもので、わかったかわからないかのうちに話が終わってしまうんだろうと思い込んでしまい、途中から欠けてるものについて考えるのをやめて(というか忘れてた)読んでおりました。だいたい、突然見知らぬ場所に行く話って、村上春樹だと訳が分からなくなったりしますものね。これもそのパターンかと半分諦めながら、そしてずいぶん時間をかけながら読んだのです。そしたら、おお、そうだったのか!ときれいに落ちてくれてびっくりし、感動すら覚えてしまいました。さすが、死神の精度。
 それから、単行本で読んだのですが、第五回新潮ミステリー倶楽部賞の選評が載ってるのがおもしろかったです。第四回の受賞者って誰だろう……調べましたら、内流悠人(現・雫井脩介)『栄光一途』でした。今度はこの人読もうかな。でも選評によると…