『パーフェクト・ブルー』宮部みゆき

パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

 初期の作品だそうです。
 元警察犬のマサの目を通しての描写と言うのがおもしろい。それなら登場人物がほとんど気絶してても場面を描けるからね。
 宮部さんは「誰の目が語っているか」をすごく意識してる感じがする。『ステップファザー・ステップ』もそういう工夫が見えた作品でした。
 しかし、今の時代、「人の話が分かって字の読める犬」というと、どうしても、某ケータイ電話のCMに出演中の、あの白い犬になってしまいます。あの犬を思い浮かべながら読むとなんだかへんてこりんなことに。