『【新釈】走れメロス 他四篇』森見登美彦

新釈 走れメロス 他四篇

新釈 走れメロス 他四篇

 やっと、初めて読み終えました、森見登美彦。なぜか、ひっかかるような、つっかえるようなところがあって、読む速度が落ちてしまう、不思議な文章です。
 「走れメロス」が一番面白かったです。追いかけっこの、そのばかばかしい必死さが、地下道や桂駅でのどたばたぶりが「痛快(斉藤秀太郎が使いそうな言葉)」です。「藪の中」を読んでいたら、『悪女について』を思い出しました。あの小説も「藪の中」形式ですよね。