『ランナー』あさのあつこ

ランナー

ランナー

 京都への仕事の電車の中で読了。
 何もかもが中途半端で「いかに生まれついてのランナーかはあなたが想像してね」「いかに強くて美人なのかはこれくらいで分かってね」「このあとの展開は読み手の想像にお任せ」で、疲れました。内容も重いし。
 ここからはネタバレ、というか言いたい放題。


 
 だいたい、主人公の名前、なんで「碧李」で「あおい」やねん。読めないよこんなの。しかも男だし。ここ、凝るところと違いますから〜
 千賀子もどこが美しくて強いんだか。ただ、お母さんにそう言われて育っただけでしょ。自分がそんな性格(?)になってしまったのを人のせいにしてはいけません。しかも、そんなにやすやすと離婚届に判押すなよ。
 そして、またやってしまいました。前藤さんの家庭事情とお兄ちゃん、後半ほったらかしです。忘れてしまったね。バッテリーの女の子たちのように。熊さんも、活躍しそうな登場の仕方だったのに、しばらく忘れられていたし…
 でも、「小さいもの」を守ろうとがんばってるけど、実は、自分もその「小さいもの」に支えられているんだって気づくのはよく分かりました。そこはよかったです。
 連載もので、手入れをせずに単行本にしたようで、流れの悪いところがあります。始まりに比べて終わりがばたばたな感じ。千賀子と杏樹に思いものを背負わせすぎて、このテーマで書き続けるのがしんどくなったんじゃなのかな…