『デジタルメディアトレーニング 情報化時代の社会学的思考法』富田英典・南田勝也、辻泉編

デジタルメディア・トレーニング―情報化時代の社会学的思考法 (有斐閣選書)

デジタルメディア・トレーニング―情報化時代の社会学的思考法 (有斐閣選書)

 図書館の新刊コーナーにあったのでパラパラめくっていましたら、結構おもしろかったので借りてきてしまいました。
 ケータイ、PCインターネット、ビデオゲーム、デジタル音楽の現在・過去・未来を解説しながら、デジタルメディアとのつきあい方を考えよう、という内容です。メディアの種類や時制によって章が違い、それぞれ筆者も違います。読む順番を結構好きに選べて、メディアごとに時系列で追ってもいいし、全メディアの現在を読んでも興味深い、という感じ。まず、ビデオゲームの現在、過去、未来を読んでしまいました。ハイパーオリンピックに「ドーピング」があったなんて知らなかった…。あと、ケータイのアドレス帳に関する調査もおもしろい。
 で、勝ち組、負け組という二分化がはやったけど、この本では「ケータイは敵か味方か」「味方としてのホームページ」(どちらも節タイトル)という具合に、「メディアは敵か味方か」という考え方を迫ってきます。これって「複眼的思考(=複数の視点から考えること)」の練習なんですって。そういわれるとそうかも、と思うけど、目次を見た限りではどきっとしますよ。敵か味方か決めなきゃいけないなんて。
 デジタル音楽のはずがロックフェスの定義なんかになっていたりして、ごった煮的な執筆陣がおもしろいです。