さかあがり

 ゆうべの晩ごはんのこと。
「ほら」と手のひらを広げてみせる○子。手のひらにはマメが並んでいます。
「うわーマメができて固くなってるねー。うんていしてるの?」
「ううん。鉄棒。」
おー、この頃は鉄棒がブームなのね、この間までうんていだったのに…
「どんなんしてるの?」
「いろいろ。さかあがりもできるようになったで。」
え〜!さかあがり!!
 さかあがりといえば、ドラマやまんがでは、クラスのみんなができるのに、その子だけができなくて、居残り練習させられて(または公園にお父さんと練習に行って)、暗くなって、「今日はもうやめようか」と先生(かお父さん)が言って、「もう一回だけ」と最後に挑戦したらくるっ!と回れて、「やったー!お父さん(か先生)、ありがとう!」と泪でぐしゃぐしゃになってお父さん(か先生)に飛びつく。そして、二人のきずなは固いものに…と言うのが定番ですよね。汗と涙と努力の結晶、それが逆上がり。
 のはずなのに、そんなにあっさりできてしまっていいんかい。そんなにしれっとした顔で報告して。
 それにしても、一年生のときは体育が苦手で、鉄棒も怖くて、「私に似てる〜」と思っていたのに、うんていにも鉄棒にもどんどん挑戦して、できるようになるなんて、やっぱりパパの血も流れているのね。あーよかった。その調子、その調子。
 名誉のために申しますと、私も小学校のころからできます、さかあがり。で、○子が三歳頃まで、つまり一緒に公園に行ってたころまではできていました。公園で○子を遊ばせながら鉄棒していましたから。今はどうかなぁ…