『僕たちの戦争』

 このあいだ原作を読んだ、『僕たちの戦争』のドラマバージョンです。録画しておいたのをやっと見ることができました。なんとも慌ただしい駆け足のドラマでしたね。うーん、やっぱり原作よねぇ。タイムスリップのおもしろみ、びっくり仰天さが全然違うわぁ。それに、戦時中の人々、丸坊主にして軍服来てたら見分けるのがむずかしいから健太との関わり具合がちょっと希薄な感じがしました。特に上官。一回のドラマでは描ききれないですよね。
 キャスティングは……アリとキリギリスの人はあそこに持ってくる必要はなかったのでは?確かに兼子は小さいという設定になってるけど、一応徴兵検査あるんだし、なんの解説もなしに小さい上官を持ってきたらなんかコメディみたい。上野樹里もフリーター健太の彼女にしては優等生っぽい臭いがしてあんまりお似合いじゃなかった。健太がシルバーアッシュなのにあの黒髪はなかろ、とも。でもでも、健太のお父さんの古田新太はぴったりでした(というか素でできる役どころだったんじゃあ!?)。もっと出てほしかったなぁ。おじいちゃんと二役するとか。樹木希林は想定内ということで。
 でもそれでも出撃するとき、敵艦に突撃していくときは涙が出てしまいました。死にに行くのにあんなに笑顔で出陣するなんて。死ぬための訓練をあんなに一生懸命するなんて。死ぬよりも国を守る、国民を守る、という気持ちの方が強くなるように教育されているのですね。あの時代に放り込まれた健太のおかげでその違和感がよくわかりました。
 結末はやっぱり原作通りでしたね。ドラマの方が吾一が死んだ度が高そうでしたが。うちの日記のリンク元を見るに、「え?これで終わり?」と、たくさんの人が思ったようです。
 海から上がってきたのは健太、吾一のどちらなんでしょう…私は「彼」であってほしいなぁと思っています。ミナミちゃんと未来への家庭を築いていくために。