『日本沈没』

 久しぶりに映画を見てきました。まだ深そうなのは見られませんから、『日本沈没』を選びました。二年前の夏『デイ・アフター・トゥモロー』を見てすかっとしたので、その思いをまた持ちたくて…
で、その感想ですが、うーーん、でした。全体的な感想よりツッコミを入れたい!(このあとはネタバレがあります)
 まず、柴咲コウです。ハイパーレスキュー隊なんですから、あんなに長い髪をしているのはいかがなものかと思います。しかも災害派遣されて仕事してるのに髪の毛サラサラやし。私も腰まで伸ばしてた時期があるのですが、長い髪ってシャンプーするのにすごく水を使うんですよ。被災地でそんなに水を使ってはいけない。仕事が終わったらヘルメット脱いで丸めた髪からゴムをはずして長い髪をサラサラーってさせたり、バイクにノーヘルで乗って、髪の毛なびかせたり、この映画を作った監督はロングヘア・フェチなのか、と思いました。途中で「私は愛する人を守る!」とか言って髪をばっさり切って決意表明でもさせるのかな?など勘ぐりながら見てしまいました(これってアメリカの映画にあったよね。女の人が軍隊にはいるやつ)。ショートのレスキュー隊員の方がかっこよかったと思いますよ。
 それから、大地真央です。なんで非常時にいつもバリバリメイクなんだ〜。アイラインビシッ、マスカラ塗り塗りで。人前に出る職業だからかもしれないけど、最後の「声明」のときは移民覚悟の一般人と服装や顔の汚れに差がありすぎて違和感でした。
 そして愛する二人が最後の抱擁を交わす場面でのスローモーション、主題歌大音量。こんなお約束みたいな撮り方、高校生が文化祭で作る映画みたい。泣かせたい、という意図が見え見えで、泣けませんでした。ここで泣ける人はよっぽどですよ。だいたいあの二人、いつの間にそんなに深く愛し合うようになったのでしょう?それがわからん。非常時って人恋しくなるということなんでしょうね。
 福田麻由子ちゃんは上手でしたよ。あの子がおかあさんとお別れするシーンは、ストーリーに関係なく、泣いてしまいました。だって、おかあさんだったらだれでもわが子を置いて旅立つ事を考えたら、しかもあんなに−−「おかあさん!」と呼ばれているのに−−泣いてしまうと思います。こんな手法で泣かすなんて、あざといなぁとおもいつつもやっぱり涙が出ちゃう。だっておかあさんだもん。
 全編を通して、避難に並ぶ人たちや沈んでいく(というか地震や噴火)日本の映像が繰り返し映し出されるのですが、時間経過の実感が伝わってきません。365日以内に沈むらしいけど、今はあと何日残ってるんだ…というのがわからないんです。最初に四季の移り変わりを移して見せたけど、やっぱり沈み中にも四季を入れてほしかったです。たとえば、避難する人や閣僚の服装とか、噴火している山の色(紅葉と新緑とか)でも表せますよね。それが「日本」を描写することにつながるはずです。
 『日本沈没』っていいながら、主人公二人の話に重きを置きすぎて「日本」は見えなかったです。
 それにしても長い映画でした。プレミアムシートとかいう座り心地のいいシートだったのですが、お尻が痛くなっちゃった。なんか、テレビドラマを大きな画面で見てるみたいで、「そろそろCMかな」と何度も思ってしまいました。集中力落ちてるんかなぁ。