『高円寺純情商店街』ねじめ正一

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

 商店街の乾物屋さんの息子さんから見た日々の暮らし短編集であります。第一話の家族で鰹節を作るくだりが秀逸です。おばあちゃんが蒸し、お父さんが削り、僕が粉ガツオをササッと(この指の動きの描写が実にいいのです)作るところ。うわーおいしそうやなぁ、と読んでおりましたら、やっぱり解説(解説者忘れました。すみません)でも、この部分の描写が取り上げられていました。
 家庭のことからだんだん商店街のこと、友達のことに少年の目が広がっていきます。商店街や市場が大好きな私、楽しく読ませていただきました。銭湯のお話では『風呂上がりの夜空に』を思い出してしまいました。
 続編も早速借りてきましたよー。