『図書館の神様』瀬尾まいこ

　ずーっと読みたかったのですが、なかなか見つからなくて…
『幸福な食卓』の方が「死」の扱い方としても好きであります。
　それにしても、弟と文芸部の生徒、この二人がいい味を出しています。恋人ではなく、身内にこういう人がいるといいですね。その他、キャラ設定、ストーリー展開のことはkawak様の書評がなんとも的を射ておりますので、そちらにページを譲らせていただきますです。終わらせ方については、まったく同感であります。
　実は、私の周りでは、近年、なぜか『夢十夜』に絡む人・できごとがいろいろ起こっておりまして、これはちゃんと読まなくては、と夏ごろからずーっとツン読しているのです。で、この本を読んで、「おお、またもや『夢十夜』か！」と少なからず驚きました。次はぜひ、この漱石を読まねばなりません（清−−このネーミングは坊ちゃん文学大賞がらみなの？−−によると、夜は読んではならないようなので、また明日からね）。
　それから、『さぶ』も読み返したくなってしまいました。山本周五郎、好きであります（笑える作品もあるんですよ）。清ではなく、垣内君が瀬尾さんの分身なのですね。
　しかし、クライマックスを表紙にするなんて、なんて気の利かない装丁なんだ。美術の授業の課題、「本を読んで、一番印象に残った場面を絵にしましょう」じゃあるまいに……