『逆転の瞬間』宮部みゆき他

逆転の瞬間―「オール読物」推理小説新人賞傑作選〈3〉 (文春文庫)
 「「オール讀者」推理小説新人賞傑作選3」であります。六編の受賞作がおさめられていますが、宮部みゆきの「我らが隣人の犯罪」が一番面白かったです(もちろん、宮部さん好きが読んだのですからそうなるわけで…)。いちばん鮮やかに逆転していたと思います。「新・執行猶予考」(荒馬間)も、関連業界で働いていた身として、最初の緻密な作業部分は面白かったのですが、逆転が人情に流れて、緻密な作業とのギャップが激しすぎてちょっと鼻白んでしまいました。「世紀末をよろしく」(浅川純)は、その時代を反映していてなかなか面白かったです。ちょっとしゃれた外国映画っぽい逆転話だし。