『マンガが語る教師像から教育社会学が読み解く熱血のゆくえ』山田浩之

マンガが語る教師像―教育社会学が読み解く熱血のゆくえ
 怖い女先生のドラマのおかけで、いろいろな本に手を出しております。ついに、こんな固い本にまで…
 この本の巻末、「分析対象にしたマンガの一覧」を見ると、なんと教師の出てくるマンガの多いこと!とびっくりします。『わんぱく先生』『ゆうひが丘の大統領』から『GT0』『ごくせん』までいろんな教師登場マンガが分析され、その傾向が読み解かれていきます。テレビドラマは全世代向けのメディアだけど、マンガは掲載紙の読者向けのドラマだ。同じ娯楽のようでいて、全然違う教師像が描かれているはずだ、という作者の発想になるほど、と深くうなずいてしまいました。
 年代別に教師のタイプが変わっていくのがよくわかって面白かったです。そして、熱血教師のゆくえも。少女漫画の先生たちも取り上げられています。
 本書ではそういう切り口では取り上げられていなかったのですが、私は『ドラゴン桜』の桜木先生も、新たな形の熱血教師だと思います。彼が熱血先生になったのにはワケがあるわけで。…原作をちゃんと読みたいなぁ。