『いつかパラソルの下で』森絵都

いつかパラソルの下で

いつかパラソルの下で

 3人兄妹の話なのですが、なんか、うちと似てる〜。そうそう、末っ子は上2人を見て叱られないように生きるらしいね、などと思いつつ読みました。さあ、夏が始まる〜!というきらきらした描写にもすごく共感。私は夏が好きだからね。

『教えることの復権』大村はま、苅谷夏子、苅谷剛彦

教えることの復権 (ちくま新書)

教えることの復権 (ちくま新書)

 国語のカリスマ大村はま、というのは知ってたけど、この本はその大村はまとその教え子だった刈谷夏子によって、その授業の内容が語られます。授業を受けた人が直接先生に感想を話し、先生が改めて授業の意図を話してくれます。すごく緊張感とボリュームのある、しかしワクワクして力のつく授業だったようです。こんな授業を受けたら、問題に対する取り組み力がつきそう。
 そして、授業は「自由にしなさい」「自分で考えなさい」と言うだけじゃなくて、教えなきゃダメだ、という話。授業だけじゃなくて、家でも仕事でもそうなんだと思います。

ものすごくいいこと

 定期試験の点が上がるとご褒美をもらえるお友達が結構いるそうです。
先日も、
「N美は5教科の合計点が300点以上やったらケータイ買ってもらえるんやって〜。300点やで、300点」
と羨ましげに言うものですから、つい、
「んじゃ、○子はXX点(○子の名誉のために秘す)以上やったら、ケータイ買い換えてあげるよ」
と言ってみましたら、
「やるやる!XX点以上取る!絶対買い換えやで!」とものすごい鼻息に。
XX点ってちょっと無理なんじゃないの〜と思いつつ、
「それから、平均はY点以上ね。つまり、国語で点を稼いで数学は悪くていい、とかなし」
「わかった。がんばるわ。」
ということに。

ところがしばらくして、
「でもケータイ変えたら今までのデータが見られなくなるかなあ。」「そうやねぇ」
「それに、買い換えてもスマホはあかんのでしょ?」「あかん。通信料高いし」
「それやったらやっぱり買い換えてくれなくていいわ……あーあ。ま、テストは自分のためやから、ごほうびなんかいらんか……」と、自分に言い聞かせながらも、ちょっと淋しそう。
 なんだかかわいそうになったので、つい、
「じゃあ、XX点以上やったら…」
「やったら〜?」
「ものすごくいいことがある!!」と言ってしまいました。

「いいこと〜!?って何?」
「ものすごくいいこと。何でもリクエストOK」
「何でもいいの?」
「何でもいいよ。あ、でもスマホはあかんけど」
ということで、2人で「ものすごくいいこと」の定義を。

  • 現金はだめ 〜ものすごくいいことっぽくないから〜
  • 中学生らしくないリクエスト(シャネ◎のバックとか)はだめ
  • 人を傷つけるものはダメ(お母さんを殴りたいとか)
  • 法律違反はしない(お酒を飲んでみたいとか)

「それやったら、ものすごくいい事って何やろう?」「うーん……」
「フライパンいっぱいに焼いたハンバーグを作ってほしいとか?」「いいねぇ!」
「それから、ホールのケーキを1人で全部食べるとか」「いいねぇ!」食べることばっかり。
「それからそれから……」「それからそれから……」
ただ今○子は「ものすごくいいこと」の実現目指して、張り切って勉強しています。
そして、「ものすごくいいこと」って何だろう、と頭を悩ましています。
XX点越えができたら、それが「ものすごくいいこと」だと思うよ。