『ドミノ』恩田陸

ドミノ (角川文庫)

ドミノ (角川文庫)

 どうしようかな〜読もうかな〜と見ていたら、解説が米原万里さん!これは読まねばなりません、と一気読み。これって映画になったんかなぁ。絶対できるわあ。いまやったら芦田愛奈ちゃんもいるし……それにこのところ出張続きで、舞台になった東京駅をよく通るので、すごく親近感。
 最初の登場人物の紹介一覧で、こんなに人が出てくるのか…読めるかなぁ(だいたいハヤカワミステリーとか、これでけっこうめげたりする…)と心配でしたが、なんのなんの、全然問題なく読み分けられました。
 どの場面も、その場の人物のかなり冷静な描写から始まるのに、いきなりその人物が慌てたり憤ったりパニクったりして、その周章狼狽ぶりにこちらも引き込まれて、「なんやねん!どーなってんねん!」と突っ込みながら、もう目が離せないという…(ガラカメっぽいシーンもあるから、好きな方はゼヒ)。
 恩田さんの文章はどこか冷めた感じがしてたのですが、なんのなんの、かなり沸点が低いこのキャラクター描写は好きやなぁ。
 それにしても、米原さんの読まれた単行本は、登場人物紹介に、肖像画のイラストがあったそうな。文庫にはこれがありません。これは見たい!単行本を探さなくては。