『外国語で発想するための日本語レッスン』三森ゆりか
- 作者: 三森ゆりか
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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日本語の読書は多分に感覚的であって分析的ではない、そのいい例が国語の授業だ、ということになっておりまして、外国流のもっと「分析的で批判的な」「根拠のある意見を持つための」読書術を、日本人はもっと子どもの頃から学んだ方がいい、しかし、学べなかった人のために、私が教えてあげる、という感じです。
最初は絵を分析的に見ることから始まります。「横断禁止」の標識は、漢字の読めない人でも「ああ、横断禁止の標識なんだな」とわかるのは、絵のどの部分からなのか、とか。
書かれている課題を自分でも解きながら読むとけっこう楽しいです。ふだん何となく分かってる、感じていることが、意識的に言葉を使って説明することでより鮮明になってくる……という感じで。
そして、絵の分析から、童話、小説の分析、文体分析へと話は進みます。まあこの辺は言われなくてもわかるし、ずいぶんこじつけっぽいなあ…とも思うところもありますが、小学校の頃「この場面の○○の気持ちを考えましょう」というような問題が大嫌いだった人には面白いかも(ただ本書には「『作者の気持ちを考えましょう。』なんて、聞いてもしょうがない」とたびたび書かれているのですが、そんな問題本当にあったかしらん?「主人公の気持ちを考えましょう。」は確かにあったけど)。
それと、「自慢じゃありません」とか書いてるけど、自慢話がけっこう多いのはちょっと……具体例なんだろうけど。