『デンデラ』佐藤友哉

デンデラ (新潮文庫)

デンデラ (新潮文庫)

 昨日は何も書けずじまいでごめんなさい。読み終わったのは一昨日くらいです。地の文が「ですます調」、登場人物は山奥のおばあさんたちばかり。なれど、「韜晦」なんて難しい言葉を使える……なんかちぐはぐな文体です。だって、おばば達は、インテリ軍団では決してないです。でもすごい語彙と男言葉。しかも名前が覚えきれない……。これには翻弄させられました。しかも、これは作為的なものらしいです。くれぐも、この小説、映画を(まだ見てないけど)、『楢山節考』のまじめな続編と考えないように。
 映画化して、どこまでこの内容が伝わるんかな。ただのクマ退治物語になりませんように。でも、映像として、「戦うおばば達」は魅力的なんだと思います。私がこの本買ったのも、帯の浅丘ルリ子の目力のせいだし。
 でもきっと、映画は小説より美しいおぱぱが、美しい装束で戦うことでしょう(出演は承諾したけど、やっぱり汚れきるのはいやなんかな、と思うくらい予告編のオババ達は綺麗なメイク顔でした)。痛快な映画になっていることでしょう。それはそれでなっててほしいわ。それなりに痛快な「オババの復讐劇」も見たいよ。
 でも、小説はもっとスプラッタやで。そして現実的で悲惨で救いがないですよ。実際、読んでる途中は、スーパーに行ってもお肉が買えなかったもん。