『インシテミル』米澤穂信

インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)

 最初、イミシンテルだと思ってました。人名?って感じで……映画の宣伝とかやってたときもピンと来なかったし。職場の本棚に並んでようやく「あ、インシテミルなんだ。」と気づいた次第。「インシテ」より「イミ」の方が私の変換辞書と一致するという、最短一致法で読んでしまっていたのね。
 なかなか面白かったよ−(まだ読んでいない人はここから先は何か書いてしまうかもしれないので気をつけて下さい)。登場人物のかき分けがなかなか。最初は12人も覚えられるのか?と心配だったけど、ややこしいのは最初の方で消えるし。そして、前の職場には須和名さん的な女性がいて、これまた、リーダー格の彼と同じ名前の知り合いもいるので(キャラも似てる)、途中からは妙にリアルやったわ。
 で、お話は結城(これは藤原竜也がやったのかな?)目線で書かれるのですが、彼自体よく分からん所があるので(特に後半。別人になっちゃった)、彼と一体化も出来ず、中途半端にモニタリングしてる気持ちで読めます。私が参加してたらどうするかな、絶対殺しはしないと思うけど、殺されるかな、ぼーっとしてるから。とりあえずは娯楽室の本を読んでいることでしょう。
 読んでる最中は、ここに出てきたミステリーは全部読んでみたいな、とか思っていたのですが(だいたい「ネイティブ・アメリカン人形――なんて回りくどいネーミング――に全然ツッコミを入れないってどういうことなんだ!」と最初から思ってたので、やっとそれに話がいったときは嬉しかったし)、ついさっき読み終わった今は、もう、おなかいっぱいになってしまって、ミステリーは当分いいや、という気持ち。ということは、しっかりインサレタことになるのかしらん。
 ところでDay afterの順番、須和名さんの後半は結城よりあとの方がよかったのではないでしょうか。それから、真木の職業はなんだったのでしょう。思わせぶりだったのにあんな……