『ぼくたちの洗脳社会』岡田斗司夫

ぼくたちの洗脳社会 (朝日文庫)

ぼくたちの洗脳社会 (朝日文庫)

 1995年に書かれた未来予測本。経済万能社会が終焉を迎えつつある今、次は「自由洗脳競争社会」なんだそうです。「洗脳」ということばに、怖いもの見たさな気持ちで読みました。「洗脳といっても、監禁して一方的に自分の思想を押しつけるのとは違うんですよ。怖くないんですよ。」と何度も述べられていてるけど、やっぱりことばそのものが怖いから、岡田さんの言ってることは面白くて、確かに思い当たる節もあるけど、「洗脳」ということばが出るたび違和感を感じてしまって、「ああ、もったいない」と思いました。まあ、それくらいインパクトのあることばを使わないと手にとってもらえなかったでしょうからしょうがないのですが。岡田さんの最初の本だそうです。
 1995年、まだケータイ持ってるのは一部の人で、ミクシィもなくて、いやその前にインターネット普及してなくて(パソコン通信nifty-serveの時代ですよ)、そんな時に書かれているのに、今の自分の状態、
「こんな事があったけど、誰にしゃべろかな、どこに書こうかな。ブログかな、ミクシィかな、やっぱり日記に書くだけにしよかな、やっぱりあの人だけにはメールしとこかな。」
というのが言い当てられているのに感心しました。もちろんそれは、私が岡田さんと同じようなパソコン生活をたどってきているのが大きいけど。
 「モノ不足・情報余り」の世界というのも、それに至るまでのパラダイムシフトの話も面白かったです。というか、今までそれを知らなかった(よく分かってなかった)というのが恥ずかしいことですが。岡田さんが噛んで含めるように教えてくれるから、分かりました。やれやれ。本当に「さっきまでの章では、これこれこれこれについて述べました。そして、この章で述べたいことは次の三点です。それは……」という具合で随所に今までのまとめとこれからの要点が入ってて、口述筆記だそうで、話を聞いているようによく分かりました。
 で、もうちょっと岡田さんを読んでおこうと思っていたら、職場の人に言われました。
 「何読んでるんですか?え、岡田斗司夫?ああ、あのダイエット本の人でしょ。」
ええっ!?そういう認識ありなん?オタキングなのにダイエットの方が有名なのね。でも今度はレコーディングダイエットの本借りよっと。