『青鞜の女加藤みどり』岩田ななつ

青鞜の女 加藤みどり

　『白蓮れんれん』を読んだからか、図書館で同時代の女性を見つけてしまいました。
　これは、加藤みどりを研究しているのだけれど、論文では書けない、自分なりの加藤みどり像を描きたくて小説にしてみました、という、近大文学の研究者による研究対象の小説化なのであります。
　そう言いたくなるのは、どんな人生を送ったかがんばって調べたのはよくわかるけど、それ以外の作者の思い入れがも一つ足りないような気がするからなのです。登場人物の肉付けが足りない感じで読み応えとしては今一つ。その時代に、そういう「青鞜の女」がいたんだなぁということで。小説家の伝記のあとに読むにはきつすぎたのか、途中で他の本を読み出したりしてえらく時間がかかってしまいました。