『明日の記憶』荻原浩

明日の記憶

明日の記憶

 渡辺謙樋口可南子で映画化されましたが、今ようやく原作を。ということで、夫婦はあの二人のイメージ。後の配役は知りませんが。
 この頃、出かける前に、
「エアコンよし、コンロよし、ガスよし、戸締まりよし!!」
って指さし確認しています。その方が安心で。
 今はまだ、指さし確認して、玄関の鍵をかけて、なおもそのあと「待てよ。本当に『よし』だったの?」と思うことはないけど。指さし確認してるってこと自体、いいお年ごろなのかしら。少し前までは、そんなことしなくても心配したことなかったのに。
 それから、冷蔵庫を開けて、
「えーっと何を出すんだっけ!?」と分からなくなって、扉を閉めてから、
「ああ!マヨネーズだった!」と思い出すときもあるし。
 そんなときに読んだので、しかも主人公は50歳の誕生日を迎えたばかりで、そんなに若くしてこんなことになるんだ……と思うと、身につまされて、主人公の病状が一部自分にも当てはまる気がしてこわかったです(とはいうものの、私はもっと若いですよ)。『家庭の医学』を読んでると病気になった気がする、というのと同じ。
 一週間ほどかかって読んだのですが、ぼーっとしてる時間も多かったような気がします(だから昨日のJUMPタイムは久々に元気出て楽しかった〜!)。
 最初、誤植を見つけて、「初版でもないのに珍しい…」とびっくりしたけど、これも作戦なのでした。あと、徐々に人の名前を忘れていくということを知らしめる場面、主人公と一緒になって愕然とします。
 読み終わったのは仕事帰りのバスの中。本をパタンと閉じて、「あー今頃、○子が待ってるだろうな〜」と考えたら、つーっと涙が出てきちゃった。家族のことが思い出せるって幸せです。
明日の記憶 [DVD]

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