『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

　一時期「袋とじグラビア」というのがはやったけど、そういうのは縁のなかった私。
　今回初めて袋とじを破りました。
　そう、この文庫本には袋綴じがついているのです。
　なぜなら、文庫本の後ろに書いてあるのですが、「究極の「推理」小説」だから。
　ここからややネタバレかも。

　容疑者が二人に絞られて、どっちが真犯人なのか、なんと謎解きの章になっても明かされないまま小説が終わってしまいます。つまり本文をよほど注意深く読んでいないと、読み終わったとき「で、どっちが犯人やったん？？」となるのです。このことは別の本の解説で知ってて、がんばって考えながら、注意深く読んだつもりだったのですが、やはり、「うーん、あっちが真犯人かな？」とぼんやり思うくらいで、決め手のないまま読み終わってしまいました。
　単行本が刊行されたときはそのままだったらしいのですが、私のような読者が多かったらしく、文庫本には
　「推理の手引き《袋綴じ解説》」がつけられたのであります。
　と、別の本の解説で読み、いそいそと文庫版を購入、初めての袋綴じ開封作業を行ったのでありました。
　袋綴じ解説を読んで、もう一度読み返すとすーっとします。あー面白かった〜。
　でも袋綴じがないと読み解けないなんて、推理小説の読み方がなってないのかな。ちょっとショック。
　で、解説によると、今度は容疑者が三人いるバージョンがあるのだそうです。『私が彼を殺した』。もう少し読解力が上がってから挑戦しましょう。