『ガラスの仮面 43』美内すずえ

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

 少女漫画の未完の大作、通称「ガラカメ」こと「ガラスの仮面」、その昔、連載が始まったときからずーっと読んでいます。まるで紫のバラの人のように、誰かしらコミックスを貸してくれる人が現れてくれるおかげで、コミックスも「花とゆめ」も買うことなく、梅の谷までたどり着いてしまいました。大人になった今は、月刊「ガラスの仮面」を全部買いそろえまして、42巻も買ってしまいました。
 で、先週は42巻を読み返して、この日をいまかいまかと待っていましたよ。43巻!!今読み終えました。ネタバレするかもしれないから許してね。
 前回の待望の42巻は、ちょっと肩すかしっぽかったけど、今回はなかなか面白かったです。といってもやってることは毎回同じ……すれ違う二人、マスコミに振り回される二人……。でも何度繰り返されても、暮らしの中でマヤが役をつかみかけるシーンはいいですね。「いただきます」。
 姫川亜弓さん、体操選手みたいになってますが、以前の連載ではもっと内面から役をつかみかけてたのに…ほら(ネタバレてしまう…)


 連載中は、亜弓さんは目が見えなくなりかけて、そのせいで視覚以外の五感が研ぎ澄まされていくし、失明寸前を隠すためにハミル(フランス人のカメラマンですね。あごの割れた。あの人も見なくなったなぁ…)に支えてもらうことによって「一緒にいると心安らぐ人」の存在の温かさに気づき始めていました。今までの亜弓さんとは違った成長ぶりで、うわー美内さん、亜弓さんに入れ込んでる〜だったのですが、軌道修正されたようです。
 亜弓さん、42巻からいつもの「お嬢様風役つかみ作戦」に出ています。ヘレン・ケラーや二人の王女のときと同じ「住環境を変える」作戦、一人ジュリエットのときと同じ「身体能力を磨く」作戦。アナザーストーリーのあったことなんかみんな忘れてしまいましょう、ということかな。いや、あまりに亜弓さんが先行しているから、これからあの悲劇は起こるのか……でも、連載中に、確か、雨の中で迷子になって、電話ボックスから電話をかけるシーンがあったけど、42巻からはケータイ出まくりですから。亜弓さんがケータイ持ってないわけないし、あのシーンは使えないよ。
 紫織さんの洞察力がどんどんアップしています。婚約断られて寝込んでいた彼女はどこへ…