『しゃばけ』畑中恵

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

 もっぱら電車の中用だった上に、途中でアーチャーを先に読んだりしたので、読み終わるのにずいぶんかかってしまいました。それだけ先が気にならなかったお話だということでしょうか。
 妖(あやかし)と呼ばれる妖怪の類がいろいろ出てきます。
 どれもどれですが、「鳴家(やなり)」という妖はかわいいです。身の丈数寸くらいの小鬼で、家の中に何匹も棲んでいて、あちこち軋ませたりするらしいけど特に実害はないという小物です。それで、姿が見える人には膝の上に上がってきて、頭をなでてやると目を細めて気持ちよさそうにするんだそうな。そうすると、われもわれもとたくさんの「鳴家」が競って膝に上ってくるらしい。昨日の続きじゃないけど、猫みたいで、こういうのは一家に何匹かいるといいかも。
 「鳴家」はいいとしても、こういう時代のこんなことを書くと、どうしても宮部みゆきとかぶってしまう。その上、ユーモアのある描写をさせると、どちらかといいますと、あちらさんの方が好みであります。
 でもひらがなばかりの表題がおもしろいので、また機会があれば読みましょう。