『阪急電車』有川浩

阪急電車

阪急電車

 阪急沿線に住んでいるものとしてはやはり読んでおかなくては…と思ったら今津線の話でした。私、今津線って西宮北口〜今津のあの短い線だけと思ってました。あれは南側の部分で、西宮北口から宝塚に行く、北側の線も今津線なのね。
 宝塚駅から西宮北口までの一駅ごとに、いろんな人が出てきて、恋が始まりそうになったり終わったり、泣いたり、回想したり、するわけです。
 電車に乗ったときって、「勉強がんばってるなぁ…」「あんな本読んでる」「すごいカッコやなぁ。どこ行くんやろ」「あ、けんかしてる」とかいろいろ周りの人を観察しますよね。親子のかわいい会話をこっそり盗み聞いたり。それがうまく組み合わさるとこんな物語になると言うことで。
 前半は宝塚→西宮北口で、後半はその復路、西宮北口→宝塚になってます。往路に乗っていた人たちのその後が復路で分かるようになっているのです。往路は連載されてて、復路の方は書き下ろしなんだそうな。往路はわくわく、復路は野次馬気分、というところかな。
 阪急神戸線の雰囲気、乗ってる人感じはよく知っておりますから、読んでいてで楽しかったです。今津線で通勤、通学してて、車窓の景色が分かってるともっとおもしろいのでしょうね。
 それにしても、久しぶりに本を読みました。今はこれくらい軽い本が精一杯です。