『ララピポ』奥田英朗

ララピポ

ララピポ

 ララピポはa lot of peopleのこと。短編集のようなんだけど、さっきのお話では脇役だった人が、次は主人公になって、さっきと同じ話が別の視点から描かれたり、別の話なんだけど、今までに出てきた人がちょいちょい出てきたり…と、読み進むほど、お話のなかに知ってる人が増えてきて、おもしろくなっていくようにできています。それはおもしろいんだけど、内容が相当エロい、というか大胆描写が多いので、電車の中で読もうと思っていたのですが、家で読みました。でもエロ小説ではない(と思う)からね。ちょっと病的、というか、気持ちの困った人が出てくるあたりは、伊良部先生シリーズに似ています。
 カバーが鍵穴の形に切り抜かれていて、下の絵が見える、という楽しい装丁になっているのですが、図書館で借りたため、ブッカーでガチガチに固められていてカバーの下が見られません。残念。