『コールドゲーム』荻原浩
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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「愛しの座敷わらし」も、以前読んだ『僕たちの戦争』も、次々と語り手が変わるのが特徴なのですが(座敷わらしの方はちょっと苦し紛れの気がしないでもありません。ごめんなさい、荻原さん)、この『コールドゲーム』は、一貫して主人公の光也(ときどき「ミッチー」と呼ばれてて、そのたびににやけてしまいました)の視線で話が進みます。
中学の時にイジメられっ子だった廣吉君が、四年経った今、復讐を開始。元クラスメート達は…という感じかな。こわかったー。
中学二年生の時、ずいぶんいじめられている子がいて、クラスで話し合ったりしました。ところがなんと、私ったら学級会の議題になるまで、その子が「いじめられてる」と思っていなかったのです。「じゃれあってるにしては、えらくひどく殴ってるなぁ…」「あらあら、あんなに押さえつけちゃって…」とぼーっと見ていました。なんてのんびりした鈍感さ。それより派手でちょっと突っぱってる女の子たちの方が「やめんかい!」と止めてたなぁ、結局イジメは止まったんやったかしらん……そんなこんな思い出しながら読んでいました。いじめは、いじめる人だけじゃなくて、それを止めない人、知らん顔してる人も共犯や、と言われます。本当にその通り、肝に銘じましょう。
ここからはネタバレ有りです。
私はてっきりシャングリラのマスターが廣吉なんだと思っていました。光也より背が高いし、場違いな喫茶店開いてるし、ケータイのデータ盗んだ現場になってたし。でもまだ高校生なんだからそんなのムリでしたね。失敗失敗。それにしてもマスター、なんだか味のある人そうに書かれてたけど、未成年にお酒出したらダメじゃない。しかもバイクで来店してるのに。
バイクといえば、125ccバイクが何度か通りすがるんですけど、あれは必要ないような。むりむりファンタジーの味付けしてるみたいでいただけませんでした。
それから、デジャビュを感じさせたどくろマークって、結局なんのデジャビュだったのでしょう。光也はどこで見ていたの?分からないまま読み終えてしまいました。だれか教えてくださいませ。
そうそう、どうでもいいけど、荻原さんって、きっととんがりコーンやポテロングをビールで流し込みながら、ご飯はケンタやモスを愛用されてるに違いありません。どのお話の登場人物も、本当によくスナック菓子よく食べるもの。しかもきちんと商品名つきで。ビールも飲みます。座敷わらしのパパのビールへの執着、好きだな〜。