『魔王』伊坂幸太郎
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/10/20
- メディア: 単行本
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で、この作品は、最初は、他人に自分の思ったことをしゃべらせることのできる能力を突然持ってしまった男の話。気弱な会社員に課長を侮辱させたりして、その能力をもてあまし気味にいたずら気味に使うんですけど、だんだんそんなお手軽小説ではなくなってきて大変でした。与党は転覆するし、遊園地の遊具は壊れるし。そのうえ憲法改正論まで出てきて、なんだか今を予言したかのような話でした。
その上、なんと宮沢賢治が出てきてびっくり。『注文の多い料理店』ってそんな風に読めるんだと感心したり、詩集が読みたくなったり。高校生のときに賢治の詩集を読みふけった、ものすごくよかったという人がいましたが、賢治の詩は人を鼓舞するところがあるらしい。今度読んでみましょう。永訣の朝くらいしか知らないものね。