『怪笑小説』東野圭吾

怪笑小説 (集英社文庫)

怪笑小説 (集英社文庫)

 タイトルからして今までの東野圭吾の傾向と違うので、おもしろそうだな、と借りてきました(本当は『手紙』が借りたかったのですが)。
 ちょっとブラックでユーモアのある短編集で、なかなかおもしろかったです。一編目のオチにびっくりびっくり。それから、最後の「動物家族」。周りの人間が人間以外の動物に見える中学生の話。
 筒井康隆の語り口と感じが似ています。だからって、「関西人やからやろ。」なんて身も蓋もないこと思わないように。しかし、解説者はなんの衒いもなく書いてるんですよね、「理科系で関西人だからこの種のネタをたくさん持っているのだ」って。いいのか、そんな短絡的解説で(でも、東野さんと一緒に食事して、いろいろ教えてもらったそうです。うらやましい…)。解説者の名前は見てのお楽しみ。
 しかし、「あるジーサンに線香を」があれのもじりとは、あとがきを読むまで気がつきませんでした。内容は似てると思ったのですが。

 つぎは久々に、本当に久々に林真理子に手を出しましたが、これはだめかもしれない。なんせ奥田英朗を借りてしまったからね。