誕生日

 夕方、カレンダーを見ていた娘が
 「もうすぐお母さんの誕生日だね。」
 そう。来月誕生日です。
 「プレゼント、何がほしいの〜」
 「うーん。なんでもいいよ。ごちそう作ろうね」
 「うん。…ケーキも買う?」
 「買うよ!」
 「わーい。そんで、お誕生日の歌、歌おうね。ハッピバースデーツーユー♪」
 調子よく歌っていた娘、ふと歌を止めると、
 「お父さんも歌ってくれるかな?」
 「…さあ…?」
 「歌ってくれるよね。『おかあさんのお誕生日だよ』って教えてあげたらきっと歌ってくれるって。大丈夫だよ。」
 「…そーだねー…」

 …歌ってくれたらいいけど、娘は励ましてくれたけど、
 やっぱり今年も、私の誕生日に、お父さんは泊まりがけのお仕事を入れて、帰って来られないように自分でしむけて、何でもない日としてやり過ごすことでしょう。

 誕生日なんて今さら嬉しくも何ともないけど、誕生日を無視しようとする人が家族にいるなんて、やっぱり嬉しくない話です。

 それにしても、娘に気遣われてしまうなんて…